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2011.05.20 Friday

フラットな関係からの飛翔

二口ラボ担当の伊藤です。5月17日(火)ラボの様子をお伝えします。

今日はお休みの方もおり、最初は二口さんと参加者の人が二人でバレーボールラリーでした。二人でやったので、68回もいきました!でも、その分二人はヘトヘトです。長い間床に転がって、身体を休めてから、ある程度メンバーが揃ってきました。そして、二人ペアになって、身体のもみほぐし、マッサージタイムです。一人でやるよりも、他の人にやってもらう方が何倍も気持ちよいです。それはなぜなのでしょう。その時に二口さん曰く、「自分以外の誰かに身体を振れてもらう事で、自分の身体の輪郭がいつも以上に意識できるなぁ」。確かにそうですね。自分で自分の身体に触れる時、可動範囲をどこかで設定してしまいます。しかし、本当の可動範囲は別にあるはずですし、ある一点を圧迫される事で、全体的な輪郭が見え始めます。ぼんやりしていて線が明瞭な線になるような感覚です。身体と外を隔てる境界について、考えれば考えるほど、面白い発見がありそうです。是非皆さんも稽古場やお家で誰かを捕まえて、身体をほぐし合ってみて下さい。そして、できれば是非ラボに参加して頂いて、広い空間で身の境界を体感してみて下さい。

さて、後半は即興ゲームでした。今回のテーマが即興的に相手に反応していく事ですので、必然的に即興ゲームは増えてきます。この日やったゲームは、相手に何かをさせる、というモノです。即興的に何かを仕掛ける事は、日常的な関係性(フラットな関係性)から発展させる事はなかなか難しいのですが、さすがに参加者の皆さんが突然即興的に、積極的に動く事も無く、だらーっとした時間が少し流れました。参加しながら思ったのですが、私もやはり日常的な関係性から始めようとしてしまっていました。現代人が即興的に何かをする時に、どうしても虚構への一歩を踏み出す事を、少しためらいます。しかし二口さんは敢えて厳しく言います。「相手に何かをしたいという事は、相手も何かをして欲しいと思ってそこにたたずんでいる。即興ゲームの中で、積極的に何をしたって良い。頭で考えれば、身体がダラダラと停止状態に近くなってしまう。まず動いてみて下さい。相手をじっとみて、思うがままに、瞬間的に動いてみて下さい」と。演劇と日常を隔てる、といった意識は、現代人には少し乏しいのかもしれません。仕事場での自分、プライベートでの自分、学校での自分、地域での自分、そして舞台上での自分。舞台上に立つ時に、俳優は様々な自分を背負っています。それをそのまま引きずる舞台作品が昨今多い事も事実ですが、改めて劇的な関係性を相手と築くのであれば、フラットな関係性から脱却しなくてはいけません。舞台はプレイです、遊びです、ゲームです。そんな視点を決して甘くみてはいけない。十分にプレーできるものが、フラットにも成り得るんじゃないか。などといった事を考えました。

参加者の皆さんが、即興というテーマに、四苦八苦しながらも、なんとか身体と頭とインスピレーションと格闘している様が、とても微笑ましくもありました。次回は、さらなる飛躍、脱却がはかられる事だと思います。

※二口ラボ、途中参加も可能です。ご興味持った方は、是非 laboアットマーくgekken.netまでご連絡下さい。(アットマークを@に変換して下さい。)
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