2011.05.12 Thursday
他人と瞬時に反応し合える能力
5月10日に二口ラボが新たに開講しました。私は二口ラボを担当する伊藤と申します。担当しつつ、可能な限り参加もしつつ、いろいろなことを体感して、諸々ご報告したいと思います。よろしくお願いします。
今回の二口大学ラボのクラスは、以下の内容になります。
お芝居は台詞を覚えて、段取りを覚えて、それらをなぞるだけでは成立しません。段取りはあるものの、相手役や観客と呼応することで、活きた舞台はつくられていきます。こ役者さんの創造性はそうした瞬時のやり取りの中から生まれます。この講座ではそうした能力を獲得する為の訓練を行うと同時に、訓練法を学びます。今期はその前編として、基本的な練習を中心に行います。
では、5月10日(火)第1回目はどんなことをしたか、簡単にご報告します。
まず、みんなでバレーボールのラリーをしました。100回目指しました。アトリエ劇研でバレーボールのラリーをするのは、非常に気持ちがよかったです。自然と共同体が出来上がっていくような感覚がありました。その後、名前鬼をしました。バテバテになった体で、床に寝そべりました。アトリエ劇研という空間を体に入れていくような感覚です。そして、二人でペアーになって背中合わせでリラックス。手をつないで一緒に座ったり立ったり。他人とどう反応し合うかを探っていきます。その後は、ボールを一周させるゲーム、手を合わせて動き回るゲーム、即興的に音に反応していくゲームなどをしました。
このクラスは、5月から7月にかけて、3ヶ月間のクラスです。毎週火曜日19時〜21時の2時間のクラスです。初回を実際に動きながら体感した私の意見として、稽古中であっても、はたまた稽古が無くても、はたまた演劇をやったことが無いとしても、今回のラボクラスのようなワークは、大変重要だと思いました。重要という言葉はちょっと堅苦しく聞こえますので別の言い方をすれば、こういったワークが、日々の生活のちょっとした新しいヒントを与えてくれるのではないでしょうか。
途中、自己紹介がてら、参加者の皆さんが日々の稽古/暮らしの中で、疑問に思っている事などを話してもらいました。二口さんは話を聞きながら、「ん〜、難しいねぇ」などと言っていました。しかし、そんな中でも以下のような二口さんの発言が本当に印象的でした。「どれが正解かというものは、僕自身も分からない。みんなが日々抱く疑問点などを話したり共有したりして、ちょっとずつ方向性がそれぞれに見えてこれば良いと思う」。
どんなワークショップでも同じですが、これをやれば演技が必ず巧くなると行った王道はありません。ラボが提供できるのはあくまでも、きっかけです。そういったきっかけを得るには、自ら一歩踏み込む勇気がなければ、得られるものではありません。小さな勇気でも、少しだけ前に踏み込むだけで、その後の世界の見え方などが変わります。見知らぬ人と一緒に舞台上でワークしていくこと自体、頭も体もフル回転です。参加者の皆さんも、頭も体も駆使した事で、雨が激しく降っていましたが、清々しい顔で帰宅されていたように見えました。
担当:伊藤
※ラボクラスへの途中参加も可能です。もしご興味ある方、ございましたら、お気軽にご連絡ください。
連絡先 laboアットマークgekken.net (アットマークを@に変更して送信ください)
以上で報告は終わりますが、講師の二口さんが参加されるイベント情報をお知らせします。
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