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2010.06.09 Wednesday

特効薬

「今からすぐに(ラボに)入れませんか」という問い合わせがたびたびあります。「今は途中なので、できれば2ヶ月後の切りがいい所から参加されてはどうですか。」と答えるとガッッカリしたように「また考えて電話します」となる。ラボを受けている人にもよく見受けられることなのですが、3ヶ月後の公演で活躍する為に3ヶ月間ラボを受けて公演に備える。そうした心の裏には、ラボを受けて実力を上げて(もしくは自信をつけて)舞台に臨みたいという切実な気持ちが読みとれます。そういう人の気持ちになんとか応えてあげるのが、ラボの使命だと思いますが、現実はなかなかそうもいきません。
二口クラス100609
上の写真は今日の二口クラスで行った、エクササイズの風景です。何人かでグループになり、ある形容詞を3枚の静止画で表すのですが、(人がある形で止まって、絵のようにイメージを伝える練習)この練習をどれだけ繰り返したら演技がうまくなる実感が持てるでしょうか?
(こうしたことを経験したこと、それ自体がもしかすると自信になるかもしれませんが)何度もこのブログで述べている通り、基本的にはこのエクササイズそのものから「うまい演技」が導きだせる訳ではないのです。表現するとはどういうことなのか、伝わる演技とは何か、面白い演技とは何か、それを実現する為にどうしたらいいのか、そうしたことをこうした「エクササイズ」という具体的な体験を通じて、考えたり、意識したりすることで、少しづつ視野が開き「なにをするか」という具体的な演技のやりようが身体を通して具現化できるようになってくるのです。とはいえ、たぶんやってみればわかりますが、その「やりよう」は溢れ出るようにはでてきてくれません。また、力づよく相手に伝えるための技術、例えばよく通る声、しなやかで存在感のある身体などを手に入れる為には、スポーツ選手や音楽家のように、日々日の研鑽が不可欠です。
 目の前の公演でうまくやろうとすることは確かに重要ですが、演出家の要求が身体に落ちていないのに、結果を出そうと焦って、よくわからない道をやみくもに疾走するよりも、じっくり演技と向き合う方が、実は結果を出しやすいと思っています。週1日たった3年ラボをやった人とそうでない人との練習時間の差はわずか300時間足らずです。しかし、その差がいかに大きいかは結果が証明しています。3年(300時間)以上継続できた人の多くが様々な公演チャンスに恵まれています。いい公演に出演することは、次なる新たな出演機会を育みます。そして何より自信を育みます。出演機会が増えることは、必然的に技量を向上させます。つまりその後のさらに大きな差につながっているのです。
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