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2011.06.07 Tuesday

瞬時に反応

 以前はテーマを決めていなかったので、非常に幅広い範囲の演技訓練を行っていたのですが、今年から方針を改め、より効果的に(訓練の成果が出やすいように)テーマを設けてそうした課題に的を絞ったワークショップとなっています。
 今回の二口さんのクラスは「相手と瞬時に反応できる技術を身につけること」がテーマです。
初心者にはわかりづらいことかもしれませんが、演技は自分が何かを起こすというより、相手のアクション(言葉だけでなく、仕草や、ときには雰囲気、表情なども含めて)そうしたものに対してのリアクションから生まれてきます。
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2011.05.28 Saturday

あらかじめ決めないこと

5月24日のラボの様子をお伝えします。担当の伊藤です。

この日は、まずバレーボールラリーから行いました。30回ぐらい行くようになったでしょうか。その後、手と手を合わせての即興ダンス。また、様々な音を発して、その音に即時的に反応していくゲームをしました。

手と手を合わせての即興ダンスですが、これが見た目以上に奥が深い事が次第に分かってきました。相手との攻守のバランスが非常に重要です。相手に何かをさせたいのか、相手に何かして欲しいのか。二つの欲望が渦巻きます。参加者の組み合わせによって、全く違うものが立ち上がるのです。誰一人として同じ人間がいない、といった当たり前の事を改めて思い知らされます。

その他にやったものとしては、二人の人物が舞台中央に歩いていき、すれ違い、すれ違った後に何を思い、どう動くか、といったものです。これはかなり無茶ぶりに近いかもしれませんが、この課題にどう向かっていくのかを見るのは、本当にみていてワクワクします。何を思いどう動くか。ある意味究極の課題と言っても過言ではないと思います。しかし、この課題に正解は一つも無いでしょう。個々の俳優の心の現れが、複雑な回路の果てに行動として見えてくる。言葉ではよく分からないでしょうから、参考までに前回の様子を動画としてアップします。今後も可能な限り、動画をアップして、どういったワークショップがおこなわれているかお伝えしていきたいと思います。


2011.05.20 Friday

フラットな関係からの飛翔

二口ラボ担当の伊藤です。5月17日(火)ラボの様子をお伝えします。

今日はお休みの方もおり、最初は二口さんと参加者の人が二人でバレーボールラリーでした。二人でやったので、68回もいきました!でも、その分二人はヘトヘトです。長い間床に転がって、身体を休めてから、ある程度メンバーが揃ってきました。そして、二人ペアになって、身体のもみほぐし、マッサージタイムです。一人でやるよりも、他の人にやってもらう方が何倍も気持ちよいです。それはなぜなのでしょう。その時に二口さん曰く、「自分以外の誰かに身体を振れてもらう事で、自分の身体の輪郭がいつも以上に意識できるなぁ」。確かにそうですね。自分で自分の身体に触れる時、可動範囲をどこかで設定してしまいます。しかし、本当の可動範囲は別にあるはずですし、ある一点を圧迫される事で、全体的な輪郭が見え始めます。ぼんやりしていて線が明瞭な線になるような感覚です。身体と外を隔てる境界について、考えれば考えるほど、面白い発見がありそうです。是非皆さんも稽古場やお家で誰かを捕まえて、身体をほぐし合ってみて下さい。そして、できれば是非ラボに参加して頂いて、広い空間で身の境界を体感してみて下さい。

さて、後半は即興ゲームでした。今回のテーマが即興的に相手に反応していく事ですので、必然的に即興ゲームは増えてきます。この日やったゲームは、相手に何かをさせる、というモノです。即興的に何かを仕掛ける事は、日常的な関係性(フラットな関係性)から発展させる事はなかなか難しいのですが、さすがに参加者の皆さんが突然即興的に、積極的に動く事も無く、だらーっとした時間が少し流れました。参加しながら思ったのですが、私もやはり日常的な関係性から始めようとしてしまっていました。現代人が即興的に何かをする時に、どうしても虚構への一歩を踏み出す事を、少しためらいます。しかし二口さんは敢えて厳しく言います。「相手に何かをしたいという事は、相手も何かをして欲しいと思ってそこにたたずんでいる。即興ゲームの中で、積極的に何をしたって良い。頭で考えれば、身体がダラダラと停止状態に近くなってしまう。まず動いてみて下さい。相手をじっとみて、思うがままに、瞬間的に動いてみて下さい」と。演劇と日常を隔てる、といった意識は、現代人には少し乏しいのかもしれません。仕事場での自分、プライベートでの自分、学校での自分、地域での自分、そして舞台上での自分。舞台上に立つ時に、俳優は様々な自分を背負っています。それをそのまま引きずる舞台作品が昨今多い事も事実ですが、改めて劇的な関係性を相手と築くのであれば、フラットな関係性から脱却しなくてはいけません。舞台はプレイです、遊びです、ゲームです。そんな視点を決して甘くみてはいけない。十分にプレーできるものが、フラットにも成り得るんじゃないか。などといった事を考えました。

参加者の皆さんが、即興というテーマに、四苦八苦しながらも、なんとか身体と頭とインスピレーションと格闘している様が、とても微笑ましくもありました。次回は、さらなる飛躍、脱却がはかられる事だと思います。

※二口ラボ、途中参加も可能です。ご興味持った方は、是非 laboアットマーくgekken.netまでご連絡下さい。(アットマークを@に変換して下さい。)
2011.05.12 Thursday

他人と瞬時に反応し合える能力

5月10日に二口ラボが新たに開講しました。私は二口ラボを担当する伊藤と申します。担当しつつ、可能な限り参加もしつつ、いろいろなことを体感して、諸々ご報告したいと思います。よろしくお願いします。

今回の二口大学ラボのクラスは、以下の内容になります。

他人と瞬時に反応し合える能力を獲得するためのエクササイズ<前期>
お芝居は台詞を覚えて、段取りを覚えて、それらをなぞるだけでは成立しません。段取りはあるものの、相手役や観客と呼応することで、活きた舞台はつくられていきます。こ役者さんの創造性はそうした瞬時のやり取りの中から生まれます。この講座ではそうした能力を獲得する為の訓練を行うと同時に、訓練法を学びます。今期はその前編として、基本的な練習を中心に行います。

では、5月10日(火)第1回目はどんなことをしたか、簡単にご報告します。

まず、みんなでバレーボールのラリーをしました。100回目指しました。アトリエ劇研でバレーボールのラリーをするのは、非常に気持ちがよかったです。自然と共同体が出来上がっていくような感覚がありました。その後、名前鬼をしました。バテバテになった体で、床に寝そべりました。アトリエ劇研という空間を体に入れていくような感覚です。そして、二人でペアーになって背中合わせでリラックス。手をつないで一緒に座ったり立ったり。他人とどう反応し合うかを探っていきます。その後は、ボールを一周させるゲーム、手を合わせて動き回るゲーム、即興的に音に反応していくゲームなどをしました。

このクラスは、5月から7月にかけて、3ヶ月間のクラスです。毎週火曜日19時〜21時の2時間のクラスです。初回を実際に動きながら体感した私の意見として、稽古中であっても、はたまた稽古が無くても、はたまた演劇をやったことが無いとしても、今回のラボクラスのようなワークは、大変重要だと思いました。重要という言葉はちょっと堅苦しく聞こえますので別の言い方をすれば、こういったワークが、日々の生活のちょっとした新しいヒントを与えてくれるのではないでしょうか。

途中、自己紹介がてら、参加者の皆さんが日々の稽古/暮らしの中で、疑問に思っている事などを話してもらいました。二口さんは話を聞きながら、「ん〜、難しいねぇ」などと言っていました。しかし、そんな中でも以下のような二口さんの発言が本当に印象的でした。「どれが正解かというものは、僕自身も分からない。みんなが日々抱く疑問点などを話したり共有したりして、ちょっとずつ方向性がそれぞれに見えてこれば良いと思う」。

どんなワークショップでも同じですが、これをやれば演技が必ず巧くなると行った王道はありません。ラボが提供できるのはあくまでも、きっかけです。そういったきっかけを得るには、自ら一歩踏み込む勇気がなければ、得られるものではありません。小さな勇気でも、少しだけ前に踏み込むだけで、その後の世界の見え方などが変わります。見知らぬ人と一緒に舞台上でワークしていくこと自体、頭も体もフル回転です。参加者の皆さんも、頭も体も駆使した事で、雨が激しく降っていましたが、清々しい顔で帰宅されていたように見えました。

担当:伊藤

※ラボクラスへの途中参加も可能です。もしご興味ある方、ございましたら、お気軽にご連絡ください。
連絡先 laboアットマークgekken.net (アットマークを@に変更して送信ください)

以上で報告は終わりますが、講師の二口さんが参加されるイベント情報をお知らせします。
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2010.09.15 Wednesday

達成感

ワークショップを行ったり、又は企画する立場の人間の多くは、参加者がいかにワークショップに満足してくれるか、を考えると思います。そんなときよくある方法は「達成感」を与えるという方法で、これは非常に有効な方法です。少し頑張れば(もしくはワークショップの指導者が上手に案内すれば達成できる)課題を講座時間の中でクリアーするという方法です。達成できれば参加者の満足度はかなり上がります。そして、「やれる!」という自信がつき、「続けよう」というモチベーションも上がります。
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2010.08.18 Wednesday

代講

8月ー10月の二口クラスがスタートしました。初回なのですが、講師の二口さんが公演のため、代講ということで公演クラスを担当している田中遊さんにお越し頂き講座を持って頂きました。田中さんも二口さんと同様、身体の意識を重視する内容となりました。自身に対しての意識だけでなく、他者に対しても開ける(意識できる)身体であること、他者とやり取りができる心身の状態についていくつかのエクササイズを行いました。どれも二口さんのワークとも共通する内容で、(田中さんは非常に明確でわかりやすい)今日指摘されたような点は二口さんのワークを受ける上でも、もちろんとても大事な点だと思いました。
二口クラス100818
2010.08.11 Wednesday

面談

休講があったため、最終日が8月にづれ込んだ二口クラスの今日が最終日でした。
今回から、最終日は全員と面談するという新たな試みが始まりました。
受講生と講座側が互いにフィードバックしあい、より多くのものを講座から受け取れるよう互いに改善することがその目的です。
いろいろ有益な話ができました。この結果を今後に活かして行きたいと思います。そしてぜひ受講生にもこの話し合いを今後の活動に存分に活かしてほしいと願っています。
2010.07.21 Wednesday

協力してシーンを作る

二口さんの練習では、即興を使ったエクササイズをよく行うのですが、本日行ったような数人が出演がする即興では、出演者が互いを尊重し協力しあうことが大切となります。まず2人の即興から生まれた関係を、あらたにその場に登場する演技者がしっかり受け止め、それを活かした反応をし、それが再び元からあった関係などに何らかの変化や発展を与えることでシーンが発展し面白くなります。それはまるでサッカーの戦術のようです。初心者によく見られる失敗例としては、(何か面白いことをしなければというあせりから)個人プレーに走り過ぎて、だれもそれを受け止められず、シーンが破綻してしまったり、続かなくなったりすることです。これもサッカーと似ています。
 二口さんの行う即興では、まずは丁寧に関係性を作ることを重視するので、その関係をどう変化させるか、新たに加わった演技者が、既に舞台上にある関係にどのような変化を与えるか、新たな出演者の投げかけにどのようにリアクションし、より面白くするには何が大切かを感じたり、会得することが練習のポイントとなります、そして、そのポイントこそ役者のセンスの見せ所といえます。
 こうした練習をしっかりしておくことで、複数の出演者で紡ぐシーンをいかに面白くするかという感覚は、自然と身につくのではないでしょうか。
2010.07.07 Wednesday

出会う

久々に「出会いのエチュード」というエクササイズ風景を見ました。なんどもこのブログで紹介している通り、これは二口さんの講座で頻繁に行われる練習法です。
何か演劇的なテクニックを訓練するというより、演技する人の意識を養う練習です。
二口クラス100707
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2010.06.09 Wednesday

特効薬

「今からすぐに(ラボに)入れませんか」という問い合わせがたびたびあります。「今は途中なので、できれば2ヶ月後の切りがいい所から参加されてはどうですか。」と答えるとガッッカリしたように「また考えて電話します」となる。ラボを受けている人にもよく見受けられることなのですが、3ヶ月後の公演で活躍する為に3ヶ月間ラボを受けて公演に備える。そうした心の裏には、ラボを受けて実力を上げて(もしくは自信をつけて)舞台に臨みたいという切実な気持ちが読みとれます。そういう人の気持ちになんとか応えてあげるのが、ラボの使命だと思いますが、現実はなかなかそうもいきません。
二口クラス100609
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